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どうやる?リスクの事後対策

2022/06/30

今回は、リスクの事後対策についてです。

事前に予防できないリスクや受容したリスクに対しては、事後対策が必要です。

事後対策とは、リスクが顕在したとき、つまり課題や問題が発生したときの対処のことです。

だから、問題が起こるまでは何もしないで良い。

というわけではありません。

事後対策を事前に仕込んでおくことで、問題が起こった際の影響を最小限にすることができます。

事後対策を事前に仕込むとは?

事後対策を事前に仕込むとはどういうことでしょうか

それは、予期せぬことが起こったではなく、予期したことが起こったことにすることです。 つまり、想定の範囲内にして、対処するということです。

事後対策において、重要なことは次の3つです。

  1. 問題が発生したことを素早く見つける。
  2. 事後対策に必要なものを事前に準備しておく。
  3. 問題が発生しても、現場が混乱しないように統制できる体制を敷く。

順に解説します。

1.問題が発生したことを素早く見つける。

一つ目は、問題が発生したことを素早く見つけることです。

消防署の指導によると、火事が発生した際に、一番最初にやるべきことは、周りに火事が発生したことを知らせることだそうです。

火事を見つけたら、すぐに、「火事だー!」と大声で回りに知らせる。

リスクの事後対策も同じです。

問題が発生したら、いかに素早く問題が発生したことを見つけられるかがとても重要です。 言葉にすると簡単そうですが、実はこれ、結構難しいのです。

自分の目の前で、起こっていることが問題なのか、そうでないのかを判断しなければなりませんが、人間の心理として、問題を認めたくないという気持ちが働きます。

仮に、問題だと認めたとしても、自分でなんとかできる、なんとかしなければと働きます。

なので、問題が問題として、報告されるまでに、時間がかかります。

問題を素早く発見するには、問題が起こっていることを簡単に見極められるようにしなければなりません。

例えば、手順書があって、その通りに実行するという作業があるとします。

この場合に考えられるのは、手順書に書いてないことが起こるという問題です。

ですから、手順書と異なる事象があった場合は、すぐに手を止めて、報告することをルール化し、徹底します。

この例では手順書ですが、計画にないことが発生した場合も同様に対処します。

2.事後対策に必要なものを事前に準備しておく。

二つ目は、事後対策に必要なものを事前に準備しておくことです。

先ほどの火事の例だと、消火器を設置したり、自衛消防団を組織化するなどの準備が考えられますね。

リスクの事後対策に必要ものは、ケースにより異なりますが、リスクを事前に回避できない場合は、事後対策に必要な具体的なものが予測できないこともあります。

その場合には、人・時間・お金を事前に準備しておきます。

問題に対処するのは、人ですから、対処できるスキルを持った人をアサインしておくことで、迅速な解決が期待できます。

対処するには、時間が必要ですから、あらかじめ問題が起こることを想定したスケジュールを立てます。

緊急で人を手配したり、不良部品を交換したりする場合は、特別料金が加算されることもありますので、いざというときに使えるお金を用意しておくと安心です。

3.問題が発生しても、現場が混乱しないように統制できる体制を敷く。

三つ目は、問題が発生しても、現場が混乱しないように統制できる体制を敷くです。

問題が発生すると現場は少なからず混乱します。 混乱すると、各人がそれぞれに行動したり、逆に、怖くて何もできなくなったりします。

それを避けるために、問題が発生したら、情報を一か所に集めて、全方向に指示を出す体制を敷く必要があります。

もちろん、これはプロジェクトマネージャの仕事です。

緊急時には、スピードが必要ですので、通常と異なる体制をとる場合が多いです。

その場合は、緊急体制になったことを宣言し、メンバーに認識してもらうことが大切です。

宣言することで、現場は落ち着き、リーダからの次の指令を待つようになります。

リーダから指示を受ければ、当然、報告はリーダに集まることになり、統制のとれた行動ができるようになります。