以前に、組織のライフサイクル理論のことを書きましたが、今回は、タックマンモデルをご紹介します。
タックマンモデルとは
心理学者のB.W.タックマンの理論で、チーム(組織)は5つのステージで進化するというものです。
結成されたチームは、最初から100%の力が発揮できるわけではなく、次の5つのステージで進化(成長)します。
1 | 形成・結成 | フォーミング(Forming) |
2 | 混乱・激動 | ストーミング(Storming) |
3 | 統一・規範形成 | ノーミング(Norming) |
4 | 機能・成就 | パフォーミング(Performing) |
5 | 解散・散会 | アジョイニング(Adjourning) |
形成・結成期(Forming)
チームの結成初期の白紙に近い段階。
【特徴】
- 期待感が高い(ことが多い)
- 目的の理解しようとする
- 好奇心が強い、学習意欲がある
- メンバーのまとまりがない
- メンバーの質に差ががあることがる
- 遠慮しがち
混乱・激動(Storming)
最初に良そうしなかった問題やメンバーの課題が出て混乱する段階。 組織のあり方や目標などをめくって意見の対立などが生じる。
【特徴】
- 自己主張の強いメンバーが自分の意見や感情を強く出す
- 内気なメンバーは躊躇したり、もしくは、問題にかかわらないようにする
- メンバーに対する偏見が強まることが多い
- チーム全体でモチベーションが下がる
統一・規範形成(Norming)
メンバー間の信頼関係ができ、ルールややり方に合意していく段階。 役割分や協調性が生まれ、チームとして安定する。
【特徴】
- 業務遂行方法、ツール、チームの価値観、行動原則、ルールなどに合意する
- メンバーは、自分の行動を他のメンバーに合わせて修正する
- 信頼関係が高まり、チームの課題を協力して解決するようになる
- 能力と共に、モチベーションが高まる
機能・成就(Performing)
メンバーが協働して高い成果をあげるようになる段階。 チームが成熟して、十分に機能している状態。
- チームが一致団結して機能する
- メンバー個々が能力を発揮し、パフォーマンスとモチベーションが高い
- 指示されてなくても自ら意思決定し、率先して行動する
- チーム全体で高い信頼関係ができ、相互依存で相乗効果を発揮する
解散・散会(Adjourning)
プロジェクトが終了し、チーム関係が集結する段階。 この段階では、メンバーそれぞれの思いや、目標、やりたいことにズレが出る。
- さらに上を目指そうとするメンバーが現れる
- 退職や異動を考えるメンバーが出る
- 今後のことに不安になるメンバーが出る
この理論を知るまでは、何度もプロジェクトを経験しているのに、最初からチームのパフォーマンスを100%発揮できるようにならないのか、自責の念に駆られていたのですが、この理論を知ってから、チームビルディングがうまくできるようになりました。
チームの結成後に、いかに早く「Storming」の状態を起こして(わざと仕向けて)、「Norming」の状態に持っていくかを考えながらマネジメントしています。
具体的には、最初にちっと無理な目標をあえて掲げて、チームに考えさせたり、詳しく理由を伝えずに、ダメ出ししたりします。
するとチームは混乱しますので、しばらくして、チームリーダをコーチングでフォローします。
チームリーダは、PMの後ろ盾を得て、徐々に、チームメンバーの信頼を獲得し、チームはまとめっていきます。
特に、若いチームリーダがいるときには、効果絶大ですね。
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