編集

チームの人数が多くなるほど、手を抜く?リンゲルマン効果とは

2022/06/30

リンゲルマン効果とは、ドイツの心理学者であるリンゲルマンによって証明された、社会的手抜きと呼ばれるものです。

リンゲルマンは、綱引きの実験を行い、1人で綱を引く場合、2人で綱を引く場合と徐々に人数を増やしていくと、人数が増えるにしたがって、1人が力を抜くようになるというものです。

1人で綱を引いた場合を100%とすると、2人の場合は、一人当たり93%、3人の場合は、同85%、8人では、なんと49%までになるという実験結果が得られました。

このことから、多人数で1つのことをやると「誰かがやるだろう」という心理が働いて、手を抜くことが証明されました。

プロジェクトでは、チームをいくつかに分割して、体制を敷きますので、このリンゲルマン効果が現れないように注意することが必要です。

  • できる限り、一人ひとりに違う役割を与える。
  • 複数人で同じ作業をする際は、主担当者と副担当者などで役割を分ける。
  • 同じ作業をやっていても、一人ひとりの個人目標(*1)を別々に設定する。

*1:例えば、「手順を覚える」「改善点を見つける」「次からは指導できるようにする」など

このように、メンバー一人ひとりの個の力を出し切るようなチームビルディングをすると、リンゲルマン効果が現れることなく、全員が100%の力を発揮してくれます。

グループシンク(集団浅慮)とは、みんなで考えると重要なことを見落とすということ

リンゲルマン効果と似たような用語で、グループシンク(集団浅慮)というものがあります。

俗に「空気を読む」ということに似ているかもしれません。

集団で物事を考えて、結論を出すときに、目に見えないプレッシャーや合意しなければという焦りから、一人で考えれば当然発見できたことを見落としてしまう現象のことを言います。

この現象を回避するには、特に重要な結論は、集団では決定せずに、関係者とは個別に議論を重ねて、最終的には一人で決断するようにします。

もしくは、集団で検討する場合は、必ず批判的な意見や反対意見を求めるようにし、批判や反対が出ない場合は、その場で結論を出さずに、結論を持ち越すということが必要です。

こういったことが「リーダは孤独だ」という説が生まれる背景なのかもしれませんね。