プロジェクトは、複数の人が関係しますので、コミュニケーションはプロジェクトの成功を左右するとても大事なものです。
成功条件を決めるのも、成功させるのもすべて人ですから、上手く信頼関係を築き、双方が納得した答えを出し続ければ、大きな問題があっても円満に解決できます。
プロジェクトマネージャーは、ひとりでは仕事ができません。
ですから、人に指示を出したり、依頼することが仕事になります。
人にものを頼むとき、いきなりやってほしいことだけを頼むのではなく、徐々に核心に迫る方法をとるとうまくいきます。
簡単な仕事や予めやることが合意されている場合は、いきなり指示や依頼でも良いですが、難しいことや、複雑な依頼、無理なお願いなどを頼むときには、事前に依頼することを匂わせておいておきます。
具体的な例
例えば、あるリスクの対策をそろそろ考えて実施しなければならないとします。
そのリスクは、特定のチームや担当者が考えるものではなく、チーム間をまたがった調整が必要です。
ですが、誰かが中心となって、リスク対策をまとめたり、会議を進行したりする必要があります。
そこで、ベテランのAさんにお願いすることにしました。
いきなりAさんに、「このリスク対策をいついつまでにまとめて欲しい。」と依頼するのは、NGです。
Aさんも、納得しません。
そこで、徐々に、Aさんに依頼するようにします。
まず、毎週の進捗会議で、PMがこのリスクについての重要度や影響範囲をメンバーに説明します。
これでメンバーは、このリスク対策がプロジェクトの重要な課題であることを認識します。
同時に、勘のいいメンバーは、誰がこのリスク対策をまとめるのかを気にします。
次に、リーダを集めて、さらに、リスク対策の重要性やPMとしてのリスク対策の方針を説明します。
その時に、リーダに対して、対策をまとめる適任者を相談します。
どのチームも忙しく、結局この場では決まりませんでした。 リーダは、持ち帰って、検討することになりました。
するとリーダは、チーム内に、PMがリスク対策をまとめる担当者を探していることを伝えるはずです。Aさんにも、この情報が届きます。
AさんにPMの考えががちゃんと伝わっていれば、「PMは、もしかしたら、自分を担当者にしたいのかも」と思ってくれるかもしれません。
最後に、Aさんを直接呼び出して、対面でリスク対策のまとめ役をお願いします。
依頼されたAさんは、「やっぱり、自分を担当者にしたかったのか」と納得して引き受けてくれます。
もちろん、Aさんの負荷が大きくならないような配慮や、リーダの許可を取り付けることは事前に済ませておきます。
このように、いきなり右ストレートを打ち出すのではなく、間合いを図りながら、ジャブを繰り出すことで、本題をスムーズに進めることができます。
すべてをこの通りに実施していたら、時間がかかるばかりで、プロジェクトが遅延してしまいますので、適時使い分けてください。
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